三平方の定理 ― 直角三角形の 3 辺の関係
まず、身近なところから
たて 3 m、よこ 4 m の部屋の対角線は何 m? メジャーで測ると 5 m。
たて 5、よこ 12 なら対角線は 13。ばらばらに見えるが、3² + 4² = 5²、5² + 12² = 13² という関係がある。
直角三角形なら 必ず この関係が成り立つ。これが 三平方の定理(ピタゴラスの定理)。
定理
直角をはさむ 2 辺を a、b、斜辺(直角の向かいの、いちばん長い辺)を c とすると
╱│
c ╱ │ a
╱ │
╱───┘
b a² + b² = c²
なぜ成り立つ? 各辺を 1 辺とする正方形を描くと、小さい 2 つの正方形の面積の和が、大きい正方形の面積とぴったり同じになる(面積 9 + 16 = 25)。
辺を求める
例 1: 斜辺 a = 3、b = 4 → c² = 9 + 16 = 25 → c = √25 = 5
例 2: 直角をはさむ辺 c = 13、a = 5 → b² = 169 − 25 = 144 → b = 12
(斜辺の 2 乗から ひく。たすのは斜辺を求めるときだけ)
よく出る整数の組(ピタゴラス数)
| a | b | c |
|---|---|---|
| 3 | 4 | 5 |
| 5 | 12 | 13 |
| 8 | 15 | 17 |
| 7 | 24 | 25 |
これらを何倍かした (6, 8, 10)、(9, 12, 15) も直角三角形。覚えておくと計算が一瞬で終わる。
定理の逆 ― 直角三角形かどうかの判定
3 辺が a² + b² = c² を満たせば 直角三角形(c がいちばん長い辺)。
例 3 3 辺が 6、8、10 → 36 + 64 = 100 = 10² → 直角三角形
例 4 3 辺が 3、4、6 → 9 + 16 = 25 ≠ 36 → 直角三角形でない
特別な直角三角形
正方形の対角線(45°-45°-90°): 1 辺 a → 対角線² = a² + a² = 2a² → 対角線 = a√2
┌────┐
│ ╱ │ 1 辺 a
│╱ │ 対角線 a√2
└────┘
正三角形の高さ(30°-60°-90°): 1 辺 a → 高さ = a。辺の比は 1 : 2 : √3。
座標平面での 2 点間の距離
2 点 (x₁, y₁)、(x₂, y₂) の距離は、x の差と y の差を直角をはさむ 2 辺とする直角三角形の斜辺。
例 5 (1, 2) と (4, 6) → x の差 3、y の差 4 → √(9 + 16) = 5
(4, 6)
╱│
╱ │ 4
╱ │
(1,2)──┘
3
空間図形への応用
直方体(a × b × c)の対角線 = √(a² + b² + c²)。三平方を 2 回使う(底面の対角線 → それと高さ)。
練習してみよう
- 直角をはさむ 2 辺が 8、15 → 斜辺 √(64 + 225) = √289 = 17
- 斜辺 25、他の 1 辺 7 → √(625 − 49) = √576 = 24
- 1 辺 6 の正方形の対角線 → 6√2(a = 6)
- (−2, 1) と (3, 13) の距離 → 差 5、12 → 13
- たて 9、よこ 12 の長方形の対角線 → 15
- 3 辺 5、12、14 → 25 + 144 = 169 ≠ 196 → 直角三角形でない
よくある間違い
- × 直角をはさむ辺を求めるのに 2 乗をたす → 斜辺² から ひく
- × 斜辺を「わかっている辺の長い方」と決める → 斜辺は 直角の向かい(問題文で確認)
- × √25 を 25 のまま答える → √ を外して 5
- × 判定で c を最長辺にしない → いちばん長い辺 を c にして確かめる
練習の前に
斜辺、他の辺、正方形の対角線の係数、2 点間の距離、長方形の対角線、直角三角形かどうか(4 択)が 20 問。答えは整数。
「斜辺ならたす、それ以外ならひく」、最後に √ を外す。