箱ひげ図 ― データの散らばりを 5 つの数で見る
まず、身近なところから
A 組と B 組のテストの平均は同じ 60 点。でも A 組は全員 55〜65 点、B 組は 20 点から 100 点までばらばら。
平均だけでは「散らばり」がわからない。そこで、データを 小さい順に並べて 4 等分 し、区切りの値で全体の形をつかむ。それが 四分位数 と 箱ひげ図。
四分位数 ― データを 4 つに分ける区切り
データを小さい順に並べる: 3, 5, 8, 10, 12, 15, 20(7 個)
3 5 8 │ 10 │ 12 15 20
└─前半─┘ Q2 └─後半─┘
Q1 Q3
- 第 2 四分位数 Q2 = 全体の 中央値 = 10(4 番目)
- 第 1 四分位数 Q1 = 前半(中央値より小さい 3, 5, 8)の中央値 = 5
- 第 3 四分位数 Q3 = 後半(12, 15, 20)の中央値 = 15
個数が奇数のとき、中央値そのものは前半にも後半にも入れない。
前半・後半が偶数個のときは、まん中 2 つの平均をとる(例: 2, 4, 6, 8 → (4 + 6) ÷ 2 = 5)。
散らばりの大きさ
- 範囲 = 最大値 − 最小値 = 20 − 3 = 17(データ全体の幅)
- 四分位範囲 = Q3 − Q1 = 15 − 5 = 10(まん中 50% のデータの幅)
四分位範囲は、極端に大きい・小さい値の影響を受けにくい。1 人だけ 100 点でも、Q1・Q3 はほとんど動かない。
箱ひげ図 ― 5 つの数を図にする
最小値・Q1・Q2・Q3・最大値 の 5 つ で描く。
Q1 Q2 Q3
├─────┏━━━━━━┳━━━━━━━━━┓─────────┤
3 5 10 15 20
最小 └── 箱(四分位範囲)──┘ 最大
└ひげ┘ └─ひげ─┘
- 箱 = Q1 から Q3(まん中 50% のデータがここに入る)
- 箱の中の線 = 中央値
- ひげ = 最小値・最大値まで
読み取り方
- 箱が 短い → 中央付近にデータが集まっている
- 箱が 長い → 散らばっている
- ひげが片方だけ長い → その方向に極端な値がある
- 中央値の線が箱の中で偏っている → 分布がかたよっている
複数の箱ひげ図を 並べる と、クラスや年度の比較が一目でできる。
注意: 箱ひげ図に 平均値は描かれていない。中央値と平均値は別のもの。
練習してみよう
データ 2, 4, 7, 9, 11, 14, 18, 20, 25(9 個)で
- Q2 → 5 番目 → 11
- Q1 → 前半 2, 4, 7, 9 の中央値 → (4 + 7) ÷ 2 = 5.5
- Q3 → 後半 14, 18, 20, 25 の中央値 → (18 + 20) ÷ 2 = 19
- 四分位範囲 → 19 − 5.5 = 13.5
- 範囲 → 25 − 2 = 23
よくある間違い
- × 並べ替えずに四分位数を出す → 必ず 小さい順 に並べる
- × 奇数個のとき中央値を前半・後半に含める → 中央値は どちらにも入れない
- × 四分位範囲を Q2 − Q1 とする → Q3 − Q1
- × 箱の長さを「範囲」と呼ぶ → 箱は 四分位範囲。範囲はひげの端から端
練習の前に
7 個または 9 個のデータの第 1・第 2・第 3 四分位数、四分位範囲、範囲が 20 問。
答えは整数(前半・後半が偶数個のときは 5.5 のような小数もある)。データはすでに小さい順に並んでいる。