三角形と四角形 ― 特別な形には特別な性質がある
まず、身近なところから
屋根の形(二等辺三角形)、ドアや窓(長方形)、伸び縮みする柵(平行四辺形)。
形に 条件がつく と、角や辺に 決まった関係 が生まれる。「2 辺が等しい」だけで「2 角も等しい」と言えるのが、この単元のおもしろさ。
二等辺三角形 ― 2 辺が等しい三角形
╱╲ ← 頂角
╱ ╲
╱ ╲ 等しい 2 辺
╱ ╲
╱────────╲
底角 底角 ← 等しい
- 等しい 2 辺にはさまれた角が 頂角、残りの 2 つが 底角
- 底角は等しい(定理)。逆に、2 角が等しい三角形は二等辺三角形
なぜ底角が等しい? 頂角を 2 等分する線で折ると、左右がぴったり重なる(合同)から。
例 1 頂角 40° → 底角は (180 − 40) ÷ 2 = 70°
例 2 底角 65° → 頂角は 180 − 65 × 2 = 50°
直角三角形
直角以外の 2 つの角(鋭角)の和は 90°(180 − 90)。
例 3 1 つの鋭角が 35° → もう 1 つは 90 − 35 = 55°
合同条件は通常の 3 つに加えて「斜辺と 1 つの鋭角」「斜辺と他の 1 辺」が使える。
平行四辺形 ― 2 組の対辺が平行な四角形
A ────────── D
╱ ╱
╱ ● ╱ ● = 対角線の交点
╱ ╱
B ────────── C
性質は 3 つ:
- 2 組の対辺はそれぞれ等しい(AB = DC、AD = BC)
- 2 組の対角はそれぞれ等しい(∠A = ∠C、∠B = ∠D)。となり合う角の和は 180°
- 対角線はそれぞれの中点で交わる
なぜ対角が等しい? 対角線 AC で 2 つの三角形に分けると、平行線の錯角で角が対応し、△ABC ≡ △CDA になるから。
例 4 1 つの角が 70° → 対角 70°、となりの角 180 − 70 = 110°
例 5 AB = 5 cm、BC = 8 cm → 周の長さ (5 + 8) × 2 = 26 cm
特別な平行四辺形
平行四辺形に条件を足すと、長方形・ひし形・正方形になる。
| 形 | 条件(平行四辺形 +) | 対角線の性質 |
|---|---|---|
| 長方形 | 4 つの角が等しい | 長さが等しい |
| ひし形 | 4 つの辺が等しい | 垂直に交わる |
| 正方形 | 角も辺も等しい | 等しく、垂直に交わる |
平行四辺形 ──角を直角に──▶ 長方形 ──┐
│ ├──▶ 正方形
└────辺を等しく────▶ ひし形 ──┘
「対角線がそれぞれの中点で交わる」はすべての平行四辺形に共通。長方形だけの性質、ひし形だけの性質を区別して覚える。
練習してみよう
- 頂角 100° の二等辺三角形の底角 → (180 − 100) ÷ 2 = 40°
- 底角 72° の二等辺三角形の頂角 → 180 − 144 = 36°
- 平行四辺形の 1 つの角が 115°。となりの角 → 65°
- 平行四辺形で AB = 7、BC = 4 → 周 22
- 直角三角形の 1 つの鋭角が 28° → 62°
- 対角線が垂直に交わるのは? → ひし形(と正方形)
よくある間違い
- × 頂角 40° の底角を 180 − 40 = 140° とする → 底角は 2 つ あるので ÷ 2 で 70°
- × 平行四辺形のとなりの角を「等しい」とする → となりは 和が 180°、等しいのは 対角
- × 「対角線の長さが等しい」をひし形の性質とする → それは 長方形。ひし形は垂直
- × 周の長さで AB + BC だけ → 対辺が等しいので × 2
練習の前に
二等辺三角形の角、平行四辺形の角・周、四角形の性質(4 択)、直角三角形の角が 20 問。角は整数(° は書かない)。
「等しいのはどこか」を図に印をつけてから計算する。