正負の数 ― 「0 より小さい数」ってなに?
まず、身近なところから
冬の朝、天気予報で「今日の最低気温は マイナス 3 度」と言うのを聞いたことがあるよね。
温度計を見ると、0 度の目もりの 下 にも目もりが続いている。0 より 3 つ下が「−3 度」。
ほかにも、
- エレベーターの「B2(地下 2 階)」は、1 階より下の階
- お小遣い帳で「−500 円」と書けば、500 円 使った(減った)こと
- ゲームで「−10 ポイント」なら、10 ポイント 失ったこと
このように、世の中には「0 より少ない」「反対向き」を表したい場面がたくさんある。
そのための数が 負(ふ)の数 で、頭に「−(マイナス)」を付けて書く。
反対に、0 より大きい数を 正(せい)の数 という(+3 と書いてもいいし、ふつうに 3 と書いてもいい)。
数直線で見てみよう
数を一列に並べた線を 数直線 という。真ん中が 0、右に行くほど大きく、左に行くほど小さい。
←小さい 大きい→
─┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼───┼─
−4 −3 −2 −1 0 1 2 3 4
ここで大事なこと:
- 右にある数ほど大きい。だから −1 は −3 より大きい(−3 < −1)
- 負の数は、数字が大きいほど 左(=小さい)。−100 は −1 よりずっと小さい
- 0 は正でも負でもない
「−5 と −2、どっちが大きい?」→ 数直線で右にある −2 が大きい。
絶対値 ― 0 からどれだけ離れているか
0 からの 距離 を 絶対値(ぜったいち) という。記号は | |。
- |7| = 7(0 から右に 7)
- |−7| = 7(0 から左に 7。距離だから符号はつかない)
つまり「符号を取った数」と思えばよい。絶対値が同じ 7 と −7 は、数直線で 0 をはさんで反対側にある。
たし算(加法)― 数直線を「歩く」
たし算は、数直線の上を 歩く イメージで考えると迷わない。
- 正の数をたす → 右 へ進む
- 負の数をたす → 左 へ進む
例 1: (−3) + 8
−3 からスタートして、8 たすから右へ 8 歩。−3 → 0 まで 3 歩、そこから 5 歩で 5。
答え 5。
例 2: (−3) + (−5)
−3 からスタートして、−5 をたすから左へ 5 歩。−3 の 5 つ左は −8。
答え −8。
慣れてきたら、こうまとめられる:
- 同じ符号どうし(両方 + か、両方 −): 絶対値をたして、共通の符号をつける。(−3) + (−5) = −(3 + 5) = −8
- 違う符号どうし: 絶対値の大きい方から小さい方をひいて、大きい方の符号 をつける。(−3) + 8 = +(8 − 3) = 5
ひき算(減法)― 「ひく」は「反対の数をたす」に直す
ひき算はこう考える: ひく数の符号を反対にして、たし算にする。
例 3: 4 − (−6)
「−6 をひく」は「+6 をたす」と同じ。4 + 6 = 10。
(なぜ? −6 をひくのは「借金 6 を取り消す」こと。借金が消えれば、その分お金が増えたのと同じ)
例 4: 2 − 9
2 + (−9) と考える。2 から左へ 9 歩 → −7。
例 5: (−4) − 3
(−4) + (−3) = −7。
ひき算は全部たし算に直してから、上の「たし算のルール」を使えばよい。
かけ算・わり算(乗法・除法)― 符号のルール
かけ算・わり算は、まず 符号 を決めて、次に 絶対値どうし を計算する。
| 組み合わせ | 答えの符号 | 例 |
|---|---|---|
| (+) × (+) | + | 3 × 4 = 12 |
| (−) × (−) | + | (−3) × (−4) = 12 |
| (+) × (−) | − | 3 × (−4) = −12 |
| (−) × (+) | − | (−3) × 4 = −12 |
同じ符号なら +、違う符号なら −。わり算も同じ。(−12) ÷ 4 = −3、(−12) ÷ (−4) = 3。
なぜ (−) × (−) が + になるの?
「毎日 3 円ずつ減る(−3)」を「4 日前(−4)」にさかのぼると、今より 12 円 多かった(+12)。反対の反対は元に戻る、と覚えよう。
累乗(るいじょう)― かっこの位置に注意
同じ数を何回もかけることを累乗といい、小さい数字で回数を書く。2³ = 2 × 2 × 2 = 8。
負の数では かっこがあるかないか で意味が変わる。
- (−2)² = (−2) × (−2) = 4 ← かっこの中ごと 2 乗
- −2² = −(2 × 2) = −4 ← 2 だけ 2 乗して、あとから − をつける
テストでいちばん間違えやすいところ。「かっこがなければ、− は 2 乗されない」と覚えよう。
計算の順番
いろいろ混ざった式は、この順番で計算する。
- かっこの中
- 累乗
- かけ算・わり算
- たし算・ひき算
例: 3 + (−2)² × 4 → まず (−2)² = 4 → 4 × 4 = 16 → 3 + 16 = 19
よくある間違い
- ×「−5 と −2 では −5 の方が大きい」→ 数直線で右にある −2 が大きい
- ×「4 − (−6) = −2」→ ひく数の符号を反対にして 4 + 6 = 10
- ×「−3² = 9」→ かっこがないので −(3 × 3) = −9
- × 負の数を式に入れるときにかっこを忘れる → 3 × −2 ではなく 3 × (−2) と書く
練習の前に
四則計算・累乗・絶対値・大小くらべが 20 問出ます。
- 答えは整数で。負の数は「−5」のように入力(全角の − でも OK)
- 迷ったら数直線を思い出す。ひき算はたし算に直す。かけ算は先に符号を決める