複素数平面(極形式・ド・モアブル)

複素数平面(極形式・ド・モアブル)― 複素数を「点」と「回転」で見る

まず、身近なところから

数II で複素数 a + bi を学んだ。これを 点 (a, b) として平面に置くと、かけ算が「拡大 + 回転」に見えてくる。
たとえば i をかけると 90° 回転。この見方を使うと、(cos θ + i sin θ)¹⁰⁰ のような計算が一瞬で終わる。

複素数平面

横軸に実部(実軸)、縦軸に虚部(虚軸)。z = a + bi ↔ 点 (a, b)。

      虚軸
       │    ● z = 3 + 4i
       │   ╱
     4 │  ╱ |z| = 5
       │ ╱
       │╱ θ
 ──────┼──────── 実軸
       │   3

例 1 |3 + 4i| = 5、(3 + 4i)(3 − 4i) = 9 + 16 = 25

極形式 ― 距離と角で表す

点を「原点からの距離 r と、実軸からの角 θ」で表す(極座標と同じ発想)。

例 2 1 + i → r = √2、θ = π/4 → √2(cos π/4 + i sin π/4)
例 3 √3 + i → r = 2、cos θ = √3/2、sin θ = 1/2 → θ = π/6
例 4 i → r = 1、θ = π/2(虚軸の上)

積と商 ― 絶対値はかけ、偏角はたす

z₁ = r₁(cos θ₁ + i sin θ₁)、z₂ = r₂(cos θ₂ + i sin θ₂) のとき

加法定理から出る。「かけ算 = 拡大(r 倍)+ 回転(θ だけ)」。商は「わって、ひく」。

i をかけると 90° 回転

i = cos(π/2) + i sin(π/2) なので、i をかけることは π/2 の回転。
例 5 z = 3 + 2i のとき iz = 3i + 2i² = −2 + 3i(実部 −2、虚部 3)

       │  ● iz = −2 + 3i
       │ ╱
  ─────┼──────● z = 3 + 2i
       │      90° 回転

一般に、点 z を原点中心に θ 回転した点は z(cos θ + i sin θ)。

ド・モアブルの定理 ― n 乗は偏角を n 倍

積のルールを n 回使うと

例 6 z = cos(π/3) + i sin(π/3) のとき z⁶ = cos 2π + i sin 2π = 1(実部 1)
例 7 z = cos(π/4) + i sin(π/4) のとき z² の実部 = cos(π/2) = 0
例 8 |(1 + i)ⁿ| = |1 + i|ⁿ = (√2)ⁿ。n = 4 なら 4、n = 5 なら 4√2(k = 4)

回転と図形

練習してみよう

  1. |5 − 12i| → 13
  2. 1 + √3 i の偏角 → cos θ = 1/2、sin θ = √3/2 → π/3(k = 3)
  3. z = cos(π/6) + i sin(π/6) の z³ の実部 → cos(π/2) = 0
  4. z = −1 + 4i を 90° 回転した iz の実部 → −4、虚部 → −1
  5. |(1 + i)⁶| → (√2)⁶ = 8
  6. z = 2 − 3i の z z̄ → 4 + 9 = 13

よくある間違い

練習の前に

絶対値、偏角 π/k の k、ド・モアブルで実部(分数可)、90° 回転の成分、|(1 + i)ⁿ|、z z̄ が 20 問。
「かけ算 = 拡大 + 回転」を図でイメージしてから計算する。