確率 ― 独立試行・反復試行・条件付き確率・期待値
まず、身近なところから
中 2 の確率は「1 回の試行」が中心だった。高校では「さいころを 3 回投げて 少なくとも 1 回 6 が出る」「コインを 5 回投げて ちょうど 2 回 表」「部活の人の中で塾にも通っている 割合」のように、複数回・条件つきの確率を扱う。
基本は変わらない。確率 = 場合の数 ÷ 全体の場合の数。数A の順列・組合せで数える。
独立な試行 ― 影響しないなら「かける」
さいころを 2 回投げるとき、1 回目の結果は 2 回目に影響しない。このような試行を 独立 という。
独立な試行で「A かつ B」が起こる確率は P(A) × P(B)。
例 1 さいころを 2 回投げて両方 1 → (1/6) × (1/6) = 1/36
反復試行 ― 同じ試行を n 回、ちょうど k 回起こる
確率 p のことがらが n 回中ちょうど k 回起こる確率:
例 2 コインを 4 回投げて表がちょうど 2 回
「表表裏裏」は (1/2)⁴ = 1/16。表が出る回の選び方は ₄C₂ = 6 通り(表裏表裏、裏表表裏、…)。
6 × 1/16 = 3/8
どの 2 回が表か: ₄C₂ = 6 通り
その 1 通りの確率: (1/2)² × (1/2)² = 1/16
合計: 6/16 = 3/8
条件付き確率 ― 「A が起こったとわかっている」ときの確率
A が起こったという条件のもとで B が起こる確率 を P(B | A) と書く。
分母が「全体」ではなく「A の人数」になる。世界が A の中だけに縮む、と考える。
例 3 40 人のうち部活に入っている人 12 人、そのうち塾にも通っている人 3 人。部活の人を 1 人選んだとき、塾にも通っている確率は?
分母は 40 ではなく 12。3 ÷ 12 = 1/4
全体 40 人
┌────────────────────┐
│ 部活 12 人 │
│ ┌──────────┐ │ 条件「部活」→ この枠の中だけ見る
│ │ 塾も 3 人 │ │ 3/12
│ └──────────┘ │
└────────────────────┘
余事象 ― 「少なくとも 1 回」は反対から
「少なくとも 1 回 6 が出る」を直接数えるのは大変。反対の「1 回も 6 が出ない」は簡単。
例 4 さいころを 3 回投げて少なくとも 1 回 6
1 回も出ない: (5/6)³ = 125/216 → 1 − 125/216 = 91/216
同時に取り出す ― 組合せで数える
例 5 赤 3 個、白 2 個から同時に 2 個取り出して両方赤
全体 ₅C₂ = 10 通り、両方赤 ₃C₂ = 3 通り → 3/10
「同時に」は順番を区別しないので C で数える。
期待値 ― 平均していくらもらえるか
各値 × その確率 をすべてたしたもの。
例 6 10 本中 1 本が 500 円、他は 0 円のくじを 1 本引く
500 × 1/10 + 0 × 9/10 = 50 円
「このくじを何度も引いたら、1 回あたり平均 50 円」という意味。参加費が 50 円より高ければ損。
練習してみよう
- さいころを 3 回投げてすべて 1 → (1/6)³ = 1/216
- コインを 5 回投げて表がちょうど 3 回 → ₅C₃ × (1/2)⁵ = 10/32 = 5/16
- 部活 15 人のうち塾も 6 人。部活の人を選んで塾も → 6/15 = 2/5
- さいころを 2 回投げて少なくとも 1 回 6 → 1 − (5/6)² = 1 − 25/36 = 11/36
- 20 本中 2 本が 300 円のくじの期待値 → 300 × 2/20 = 30 円
- 赤 4 個、白 3 個から 2 個で両方赤 → ₄C₂/₇C₂ = 6/21 = 2/7
よくある間違い
- × 反復試行で ₙCₖ をかけ忘れる → 「どの回に起こるか」の選び方を かける
- × 条件付き確率の分母を全体にする → 分母は 条件 A の場合の数
- × 「少なくとも 1 回」を 1/6 × 3 とする → 1 − (1 回もない確率)
- × 期待値でハズレの 0 円を無視して 500 円と答える → 確率をかけて たす
練習の前に
独立試行、反復試行、条件付き確率、余事象、期待値(小数可)、同時に取り出すが 20 問。確率は分数で(5/16 のように入力)。
「独立ならかける」「ちょうど k 回なら C をかける」「少なくともなら 1 − 反対」。