三角比 ― 直角三角形の「辺の比」に名前をつける
まず、身近なところから
木の高さを測りたいが登れない。木から 10 m 離れて先端を見上げたら、角度は 30° だった。
角度と距離から高さを出す道具が 三角比。直角三角形では、1 つの角が決まれば 辺の比は必ず同じ になる(相似だから)。その比に名前をつけたのが sin・cos・tan。
定義
直角三角形で、角 A に注目する。
╱│
╱ │
斜辺 ╱ │ 対辺(A の向かい)
╱ │
╱ A │
╱─────┘
隣辺(A のとなり)
覚え方: 筆記体の s、c、t の書き順。s は斜辺→対辺、c は斜辺→隣辺、t は隣辺→対辺。
例 1 対辺 3、隣辺 4、斜辺 5 の直角三角形 → sin A = 3/5、cos A = 4/5、tan A = 3/4
有名角 ― 30°・45°・60°
2 つの特別な三角形から値が決まる。
30°-60°-90°(正三角形の半分) 45°-45°-90°(正方形の半分)
╱│ ╱│
2 ╱ │ √3 √2╱ │ 1
╱30│ ╱45│
╱───┘ ╱───┘
1 1
| θ | 30° | 45° | 60° |
|---|---|---|---|
| sin | 1/2 | √2/2 | √3/2 |
| cos | √3/2 | √2/2 | 1/2 |
| tan | 1/√3 | 1 | √3 |
sin は 30° → 60° で大きくなり、cos は小さくなる。tan 45° = 1(対辺 = 隣辺)。
相互関係 ― 1 つわかれば残りが出る
1 つ目は三平方の定理そのもの(対辺² + 隣辺² = 斜辺² を斜辺² でわる)。
例 2 sin θ = 3/5(θ は鋭角)のとき cos θ
cos²θ = 1 − 9/25 = 16/25 → cos θ = 4/5(鋭角なので正)
例 3 sin θ = 3/5、cos θ = 4/5 のとき tan θ = (3/5) ÷ (4/5) = 3/4
90° − θ ― sin と cos が入れかわる
直角三角形のもう一方の角は 90° − θ。そちらから見ると対辺と隣辺が入れかわるので
例 4 sin 70° = cos 20°、cos 35° = sin 55°
鈍角の三角比 ― 180° − θ
90° を超える角は直角三角形が作れない。そこで 半径 1 の円 の上の点 (x, y) で定義し直す: cos θ = x、sin θ = y。
y
● │ ● ← 120° の点は 60° の点と y 軸対称
╱ │ ╲ x 座標の符号だけ逆
╱ 120° │ 60° ╲
────────┼──────── x
例 5 cos 120° = −cos 60° = −1/2、cos 150° = −cos 30° = −√3/2
練習してみよう
- 対辺 5、隣辺 12、斜辺 13 → sin = 5/13、cos = 12/13、tan = 5/12
- sin 30° → 1/2、cos 60° → 1/2、tan 45° → 1
- sin θ = 8/17(鋭角)→ cos θ = 15/17
- cos 25° と等しいのは → sin 65°
- cos 135° → −cos 45° = −√2/2
よくある間違い
- × sin と cos を逆にする → sin は 対辺、cos は 隣辺(s・c の筆記体)
- × cos 120° = 1/2 → 鈍角の cos は 負。−1/2
- × sin²θ + cos²θ = 1 から cos θ = 1 − sin θ とする → 2 乗 の関係。cos²θ = 1 − sin²θ
- × sin(90° − θ) = sin θ → 90° − θ で sin ↔ cos が入れかわる
練習の前に
直角三角形からの値(分数)、有名角、相互関係、90° − θ(4 択)、鈍角の cos(4 択)が 20 問。分数は 3/5 のように入力。
図を描いて「対辺・隣辺・斜辺」に印をつけてから比を読む。