二次関数の最大・最小 ― 頂点と両端を比べる
まず、身近なところから
ボールを投げ上げたとき、いちばん高くなるのはいつ? 長さ 20 m のロープで囲える長方形の面積は最大いくつ?
どちらも「二次関数の最大値」の問題。放物線には 頂点 という特別な点があり、そこで最大または最小になる。
ただし x の範囲(定義域)が決まっていると、頂点が使えないこともある。そこがこの単元の本題。
定義域が実数全体のとき ― 頂点で決まる
y = a(x − p)² + q(平方完成した形)で
a > 0(下に凸) a < 0(上に凸)
╲ ╱ ╱‾‾╲ ← 頂点で最大値 q
╲ ╱ ╱ ╲
╲╱ ← 頂点で最小値 q ╱ ╲
最大値はない(上に無限) 最小値はない
例 1 y = x² − 4x + 7 = (x − 2)² + 3 → 最小値 3(x = 2 のとき)。最大値はない。
例 2 y = −2x² + 8x − 1 = −2(x − 2)² + 7 → 最大値 7(x = 2)。
「最大・最小になる x」を聞かれたら頂点の x 座標 p、または軸の公式 −b/(2a)。
定義域が区間のとき ― 候補は 3 つだけ
m ≦ x ≦ n の範囲で考えると、最大・最小の候補は 頂点(範囲内にあれば)と両端の 2 点 だけ。この 3 つの y を比べる。
例 3 y = x² − 4x + 7(0 ≦ x ≦ 5)
- 平方完成: (x − 2)² + 3。頂点 (2, 3)、下に凸
- 頂点 x = 2 は 0 ≦ x ≦ 5 の 中にある
- 候補の y: x = 0 で 7、x = 2 で 3、x = 5 で 12
- 最小値 3(x = 2)、最大値 12(x = 5)
y
12 ┤ ● x = 5
│
7 ┤ ● x = 0
│ ╲ ╱
3 ┤ ╲──●──╱ 頂点 x = 2
└──┼──┼──┼──┼──┼── x
0 1 2 3 4 5
下に凸なら、頂点が範囲内のとき 最小は頂点、最大は頂点から遠い方の端。
頂点が範囲の外にあるとき ― 端だけ比べる
例 4 y = (x − 2)² + 3(3 ≦ x ≦ 5)
頂点 x = 2 は範囲の 外。このとき範囲内では単調に増える(または減る)ので、端の 2 点だけ見る。
x = 3 で 4、x = 5 で 12 → 最小値 4、最大値 12
手順のまとめ
1. 平方完成 → 頂点 (p, q) と凸の向き
2. 定義域を数直線にかき、頂点が中か外かを見る
3. 中なら: 頂点 + 両端 の 3 つを計算
外なら: 両端の 2 つを計算
4. 大きい方が最大、小さい方が最小
練習してみよう
- y = x² + 6x + 1 の最小値 → (x + 3)² − 8 → −8
- y = −x² + 2x + 5 が最大になる x → 軸 x = 1 → 1
- y = x² − 2x − 3(−1 ≦ x ≦ 2)の最大値 → (x − 1)² − 4、候補: x = −1 で 0、x = 1 で −4、x = 2 で −3 → 0
- 同じ関数の最小値 → −4
- y = −(x − 1)² + 4(2 ≦ x ≦ 4)の最大値 → 頂点は外。x = 2 で 3、x = 4 で −5 → 3
よくある間違い
- × 頂点が範囲外なのに頂点の値を答える → 頂点が 範囲内かどうか を先に確認
- × 最大値を「範囲の右端」と決めつける → 下に凸なら 頂点から遠い方 の端
- × 平方完成の符号ミス((x + 3)² の頂点を x = 3)→ 頂点は x = −3
- × 最大値と「最大になる x」を取り違える → 問題が y の値を聞いているか x を聞いているか読む
練習の前に
区間での最大値・最小値、実数全体での最大値または最小値、最大・最小になる x が 20 問。答えは整数。
まず平方完成、次に定義域と頂点の位置関係を図にかく。